ただの模様じゃない?! DXコードは意外と重要
一般的な35mmのロールフィルムでは、フィルムが収まっているカートリッジ部分(これを「パトローネ」といいます)に「DXコード」のあるフィルムと、ないものとがあります。自分のカメラに装填したとき、これがあるのとないのとでは何が違うのか、意外と重要な役割を持っているDXコードについてお話ししていきます。
DXコードは感度をカメラに伝えるもの
黒とシルバーの市松模様のようなパターン、その横にあるバーコードと小さく表記されている数字、現像から上がった際のネガを見たときにフィルムの下部に入っているバーコード、それからフィルムをカメラに入れたときに小窓からフィルムの種類がわかるよう情報が記されている部分(過去にはフィルムの先端に穴が開けられているものもありました)、それらすべてを含めてDXコードといいます。
フィルムカメラで写真を撮る私たちにとって、いちばん大切なのが市松模様になっている部分です。ここには電気の通る部分とそうでない部分があり、それを組み合わせることによってフィルムのISO感度、撮影枚数、ラチチュードをカメラに伝える役割を担っています。
ラチチュードについてはまた別の機会にお話しするとして、DXコードは「感度をカメラに伝えるもの」ということを覚えておいてください。
主に電池を入れるタイプの全自動カメラで、DXコードの読み取り接点を持っていれば、DXコードの情報を読み取り、装填したフィルムの感度を自動で設定してくれます。
「DXコード」があるかどうかはパトローネを見るとわかります。黒色とシルバーの市松模様のようなものがあれば、DXコード「あり」です。左から、ISO160、100、200、400、800、1600のフィルム。それぞれDXコードの模様が異なります。
DXコードを読み取れるカメラには、パトローネを装填する部分に接点があります。
DXコードのないパトローネもあります。
DXコードの有無を購入時にチェックしよう
購入したフィルムにDXコードがないとき、主にオートフォーカスの一眼レフカメラに装填した場合には手動で感度を設定することができます。また、電池不要のメカニカル、フルマニュアルカメラではフィルムの感度に応じて、自分自身で露出を設定するため、そもそもDXコード自体が必要ありません。
でも、注意したいのは全自動のコンパクトカメラにDXコードのないフィルムを入れたときです。カメラによって、DXコードがないフィルムを入れたときにどんな感度設定になるかが違い、例えばCONTAX T2ならISO 100に、Konica 現場監督 28WBではISO 25に設定されてしまいます。正しい感度設定ができないと、写真が暗く、きちんとした色が出なかったり、明るすぎて白っぽい写真になってしまったりすることもあります。
フィルムを購入するときに、お店でDXコードの有無を確認し、自分のカメラがDXコードのないフィルムを入れた際にどう感度設定されるかを知っておきましょう。わからない場合は、カメラを購入したお店の方に聞いたり、カメラメーカーのウェブサイトに古いカメラの仕様が記載されていることもありますので、事前に確認することをおすすめします。