短期連載③ 写真を受け取りに!
写真を現像に出した後、待っている時間を楽しむのは、フィルム写真の醍醐味! 今回はmomoさんがフォートウエノさんに出した写ルンです2本のプリントを受け取りに行きます。さて、どんな仕上がりになっているのでしょう。
DATA
📷 Canon EOS55/ Canon EF35mm F2 🎞 Fujifilm SPERIA X-TRA800
📷 Canon EOS3/SIGMA50mmF1.4&24mmF1.4 🎞 Kodak GOLD200
📷写ルンです
Text&Photo:Momo Edit&Photo:Rika Yamazaki
夕方の写真は思いのほか真っ暗……
ついにプリント写真が仕上がる日、引き換え票を持って恵比寿駅から明治通りを歩き、ふたたびフォートウエノさんへ。いろいろなことがオンラインでやりとりできる便利な時代になったけど、「フィルムを現像に出す」というアナログな行為は、こうしてでき上がりを受け取りに行く道のりすらも楽しい!
束になった仕上がり写真がカウンターに並ぶ。プリントされた写真を見て、思わず笑みがこぼれる。
ネガを見せてもらうと、27枚撮り2本分のうち、象の鼻パークや大さん橋で撮影した写真は撮りたいものがしっかり写っていた! 写ルンですの風合いがフチ付きプリントとマッチしていて、あの日見た景色がどれも可愛く仕上がっていて嬉しい……。
セグウェイに乗って並んで進む姿が可愛くて、追いかけて撮った1枚。明るい時間帯はよく撮れていた!
プリントのほか、ネガ、データの入ったCD、インデックスプリントがセットになっています。
夕方以降に撮った写真は、撮影時の明るさが足りなくて失敗していたみたい。ネガで確認すると、失敗写真は真っ白になっています。写ルンですは暗いところが苦手だと聞いていたけど、日が落ちてからの景色は思っていた以上に何も撮れていなかった(涙)。普段使っているいかスマホのカメラの補正がいかに強いのかがわかります。
暗く写ってしまった写真は、ネガを見ても真っ白…… 。
アナログプリントはセピアっぽい雰囲気!
今回は、アナログプリントとデジタルプリントの両方でお願いしてみたので、それぞれの違いを比較することができました。同じ写真を並べてみると、アナログプリントは全体的に赤茶っぽい仕上がりで、デジタルプリントは青みが強い印象です。上野さんいわく、デジタルプリントには補正が強めにかかるのだそう。どちらが良いかは好みが分かれるところだけど、ひとつひとつどれも味がある仕上がりになってくれました。同じカメラを使っても、現像時の注文の仕方で仕上がりに変化が出てくるのが奥深い!
上がアナログ、下がデジタル。アナログは赤みが強く、デジタルは青みが強いのがわかります。
より差がわかりやすい写真で比べてみました。左がアナログ、右がデジタル。
写ルンです2本分の写真を撮ってみて、ひと言で言うなら「思い出で押し花を作るような体験」でした。歩いた場所の音や空気を、シャッターで押し込めてパッキングした感じ。可愛く仕上がって嬉しい! 人を撮るのも、物を撮るのも楽しい。私はまだまだフィルムカメラ入門編を終えたところだけど、使い捨てではないカメラでどんな写真が撮れるのか、被写体の魅力をどう表現できるのか、そんなことに興味を持った体験でした。
モモさんが選ぶ「写ルンです」で撮ったベスト5
1位 「写ルンです」
私を見ているカメラマンの石川さんと編集者の山崎さんが可愛らしくてシャッターを押しました。みなとみらいの景色も借景になり1日を象徴する1枚に。
2位 「階段れんしゅう」
1段ずつ階段の上り下りを練習する親子の愛らしさ。イメージ通りに撮れていたので満足度の高いショット。
3位 「色を捕まえる」
写ルンですで捉える景色には鮮やかな色がこんなにスパイスになるのだと、仕上がったこの写真を見たときに納得。大さん橋のミニマルな風景の中で黄色と赤がよく映えます。
4位 「ストロボ」
夕方になりフラッシュ撮影に挑戦、というムードのなか、ぎこちない構えで撮った1枚。ドキドキした!「写ルンですで撮った感」を感じる風合いになってくれて、お気に入り。
5位 「回転模様」
ぐーるぐる回る賑やかなアトラクションと観覧車のスピード感の違いがよくわからない。写ルンですで撮る写真の奥行きゼロっぽさが好き。
レポートした人:モモさん
20代で出産と子育てを経験し働くお母さん歴もようやく10年。高校のデザイン系学科でフィルムカメラを使った撮影や暗室での現像をかじったものの、卒業後は長らくフィルム写真から遠ざかっていた。写ルンですをキッカケにフィルム写真を始めたい!